「期日前投票制度」とは
各種の選挙では、選挙期日(投票日)に特定の「投票所」において投票することが原則です。しかし、選挙期日(投票日)前であっても、選挙期日(投票日)と同様に投票を行うことができる制度が「期日前投票制度」です。この期日前投票では、投票期日(投票日)と同じように投票用紙を直接投票箱に入れることができます。
対象となる投票
有権者名簿登録地の市区町村の選挙管理委員会で行う投票が対象となります。
投票対象者
選挙期日(投票日)の当日に仕事や旅行などで投票所へ行くことができない場合です。
なお、「新型コロナウイルス感染症への感染が懸念される状況」も期日前投票の事由に該当します。そのため、新型コロナウイルス感染症対策として、投票日当日の投票所における混雑緩和のため、積極的な期日前投票制度の利用が推奨されています。
期日前投票者数は増加し続けている
不在者投票から期日前投票へ制度が変わってからは、手軽に期日前投票を行うことが可能になったため、利用者が増えてきています。
期日前投票の場合は、自分が住んでいる地区の投票所とは関係なく、当該自治体が設置している期日前投票所ならどこででも投票が可能です。さらに、この期日前投票を行う際には、投票所入場整理券を持たずに手ぶらで行っても大丈夫です。
期日前投票を利用する有権者の数は増え続けており、近年では投票全体の30%以上を占めています。
期日前投票制度は、回を追うごとに利用者が増えた。2004年に約717万人(投票者の12.4%)だった利用者は、07年には約1079万人(同17.8%)と1千万人を超え、10年の約1208万人は投票者の20%超に達する数字となった。
読売新聞2022/07/10 https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20220708-OYT1T50278/
以降、13年は約1294万人(同23.6%)、16年は約1597万人(同27.5%)、19年は約1706万人と、とうとう投票者の33%を占めるほど制度は浸透した。
選挙運動では期日前投票への対応が重要
旧来の選挙運動では、投票期日(投票日)当日に投票してもらうよう働きかける運動が中心でした。公選はがきや電話かけ(電話作戦)なども、投票期日(投票日)に向けて計画的に実施されていました。
しかし、現在では投票の3分の1は期日の前に済ませられているため、運動スケジュールの前倒しが必要です。また、該当で運動する際にも「日曜日には投票にいきましょう」ではなく「今すぐに投票してください」と声がけするなど工夫が必要です。
さらに、期日前投票制度や期日前投票の投票場所について詳しく案内するなど、具体的な対応が求められます。