知っておきたい選挙の用語を選挙法務専門の特定行政書士が解説します

選挙用語

ア行

朝立ち
政治家などが、朝の出勤時間帯に、駅前など人通りの多い場所で有権者に向けて演説活動等をすること。公共交通機関が発達していない地方都市の場合には、交通量の多い通り沿いで朝立ちをすることも多い。辻立ちとも言う。

一般選挙
都道府県、及び市区町村議会の議員全員を選出する選挙。議員、または当選人全員がいなくなった場合に行われる(4年間の任期満了、議会の解散、議員の退職、選挙の全部無効など)。

1票の格差
有権者が投票する1票が持つ価値に見られる格差。1票の重みの不平等。 選挙区ごとに議員定数が定められている選挙制度に関して、合理的裁量の限界を超えている場合の、有権者への権利侵害を指摘する際に用いられる。 裁判の判決文では「(投票価値の)較差」と表現される。

ウグイス
一般的には「ウグイス嬢」と言われている、選挙カーなどに乗り込んで立候補者の名前を呼び掛ける女性のこと。公職選挙法上では「車上等運動員」にあたる。男性が車乗等運動員を行う場合には「選挙カラス」と呼ばれることもある。ウグイス嬢を専業で行っている人材も一部にはいるが、一般的には当該選挙区の地元のタレントやフリーアナウンサーなどイベントでMCを行う者が担当するケースが多い。車乗等運動員の報酬上限額は規定で決まっており、その上限額以上を報酬として支払うと選挙違反になるため注意が必要である。

宇宙戦
議員公式サイト(ホームページ)やSNSなどインターネット媒体を中心とした広報活動を指す。紙媒体を中心とした各種広報物を中心とした「空中戦」や、いわゆるドブ板選挙を中心とした「地上戦」に対して用いる用語。
→「空中戦」「地上戦」も参照。

運動員
→選挙運動員を参照。

演説会
候補者等が会場に聴衆を集めて政見や主張を演説する会合。

カ行

街宣車
公職選挙の選挙運動期間にのみ、投票を呼びかけるために使用することができる自動車。選挙カーとも呼ばれる。ワンボックス車などを改造したものが多く、屋根の上や後部に設けられたデッキに候補者が立ち、駅前などに駐車して演説等の選挙運動を行う。

街頭演説
駅前などの街頭で、居合わせたり通りかかった人たちに向けて行う演説。

開票管理者
開票に関する事務(投票の点検、投票の効力決定、開票結果報告、開票録作成、開票所の取締りなど)を行う人。市区町村の選挙管理委員会が有権者の中から選任する。

開票区
選挙の開票を行うために決められた一定の区域。原則として1市区町村1開票区とされているが、市区町村の中に複数の選挙区がある場合は、その選挙区が1区域となる。

開票立会人
開票に立ち会い、投票の効力決定に際し意見陳述する人。候補者や政党が開票区の選挙人名簿の中から本人の承諾を得て開票区ごとに1人を定め、市区町村の選挙管理委員会に届け出る。

確認団体
選挙期間中に一定の条件のもと政治活動を行う資格ありと、総務大臣または選挙管理委員会から確認を受けた政党・政治団体。

カラス
選挙カーなどに乗り込んで立候補者の名前を呼び掛ける男性のこと。「ウグイス嬢」と同様に、公職選挙法上では「車上等運動員」にあたる。ウグイス嬢の項目も参照のこと。

間接民主主義
国民が選挙で代表を選ぶことによって間接的に行われる民主主義。

記号式投票
あらかじめ候補者名が印刷された投票用紙に、投票者が印をつけて投票を行う方式。条例により、地方公共団体の議会議員及び長の選挙に採用できる。

期日前投票
投票日当日何らかの理由で投票所に行けない人が、選挙人名簿登録地の市区町村で投票日前に投票する制度。以前の「不在者投票制度」が改められた。

寄付の禁止
選挙期間以外でも政治家が選挙区内の者へ寄附することは禁じられている。(お中元やお歳暮、差入れ等も寄附に当たる)

供託
無責任な立候補を防ぐため、立候補届出の際に候補者や政党が現金や国債を預ける制度。得票数が法律で定められた数に達しない場合には、全額または一部没収される。

供託額は衆議院小選挙区300万円、参議院選挙区300万円、都道府県知事300万円、都道府県議会60万円、指定都市長240万円、指定都市議会50万円、市区長100万円、市区議会30万円、町村長50万円、衆議院比例代表1候補者につき600万円(重複立候補者は300万円)、参議院比例代表1候補者につき600万円。供託金が高額すぎるため、立候補に事実上の対する規制になっており、供託金の額を引き下げるべきだという議論がある。

共通投票所
学校などの地域ごとの投票所のほかに、駅前や大型商業施設などに、投票可能な共通の投票所を設置できる制度。平成28年(2016)の公職選挙法改正により設置可能となった。

空中戦
空中戦は、選挙で不特定多数の有権者を相手とした選挙活動を意味して用いられている。主に街頭演説やビラ配りなどを指すが、近年は議員公式サイト(ホームページ)やSNSを駆使した選挙活動を指すこともある。
→「宇宙戦」「地上戦」も参照。

経歴放送
候補者の氏名、年齢、党派別、主要な経歴を紹介するテレビやラジオ放送。衆議院議員、参議院議員及び都道府県知事選挙の時に放送される。

後援会
公職選挙法上の「政治団体」にあたる団体のうち特定の政治家(候補者か現職議員化を問わない)を支援する団体。当該政治家の支持者拡大を目的として後援会名簿(支援者名簿)を作成し、当該政治家の政治活動支援のために活動する。親睦を深めるための懇親会(新年会、暑気払い、忘年会)や活動報告会を開催する。
→政治団体も参照。

公示と告示
両者ともに選挙期日を告知すること。「公示」は衆議院総選挙及び参議院通常選挙の場合のみの呼称。これは、天皇が国事行為として内閣の助言と承認に基づいて詔書をもって行うからである。それ以外の選挙は「告示」となり、それぞれの選挙を管理する選挙管理委員会等によって行われる。国政選挙であっても補欠選挙等は告示となる。

公職
公職選挙法が対象とする「公職」とは、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体議会の議員、および長の職を指す(公職選挙法3条)。これらの職にあるものは、公職選挙法を順守する必要がある。

公選ハガキ
公職選挙法の規定に基づき、候補者が、選挙酒に応じて定められた枚数に限り無料で差し出すことができる通常ハガキ。 選挙運動用ハガキ、選挙運動用通常ハガキとも呼ぶ。 発送は指定された郵便局の窓口のみ可能であり、市中の郵便ポストに投函することはできないので注意すること。

拘束名簿式
政党等が届け出た候補者名簿に、当選人となるべき順位があらかじめ記載されている方式。衆議院比例代表選挙で採用されている。参議院は非拘束名簿式を採用している。

公費負担
立候補しようとする人の金銭的な負担を減らし、資産の多少にかかわらず立候補や選挙運動の機会を持てるようにするために設けられている制度。公職選挙法で認められている一定の選挙運動費用が、所定の限度額まで候補者に代わって公費で支払われる。公費による負担は供託物没収点以上の得票が得られないと受けることができず、供託物没収点以下の票しか得られなかった場合にはかかった費用全額が候補者自己負担となる。

候補者名簿
衆議院、参議院の比例代表選挙で、一定の要件を満たした政党等が候補者の氏名等を記し届け出た名簿。

個票
後援会加入カードのことを指す。後援会入会希望者の連絡先等を記入してもらい、これを回収して後援会名簿を作成する。個票の収集は政治活動の一環として認められてるが、投票を呼びかけるために利用することは事前運動に該当するため禁止される。

サ行

在外選挙人名簿
外国に住む日本の有権者で、衆議院議員、参議院議員選挙の投票を希望する人を登録する選挙人名簿。

在外投票
在外選挙制度により、海外に住む有権者が衆議院及び参議院議員選挙に投票すること。投票するためには、在外選挙人名簿に登録され、且つ、本人が申請し在外選挙人証の交付を受ける必要がある。投票方法としては、在外公館投票、郵便等投票、帰国投票がある。

最高裁判所裁判官国民審査
最高裁判所裁判官を辞めさせるか否かを国民が審査する制度。衆議院議員総選挙と合わせて行われる。対象者は、任命後初めて衆議院議員総選挙が行われる裁判官と、前回の審査期日から10年を経過した後初めて衆議院議員総選挙が行われる裁判官となる。

再選挙
選挙で必要な数の当選人が決定しなかった場合や当選の無効があった場合などに、当選人の不足を補うために行う選挙。

3ない運動
「贈らない、求めない、受け取らない」をスローガンに掲げ、公職選挙法の寄附禁止の規定を守ることを推進する運動のこと。

資金管理団体
政党、政治資金団体以外の政治団体のうち、公職の候補者が自らが代表者になっている政治団体のうちの一つを、その者のために政治資金の拠出を受けるべき政治団体として指定した団体。

自書式投票
投票者が自身で候補者や政党等の名前を書いて投票箱に入れる投票。

事前運動
選挙運動期間に入る前に投票依頼などを行うこと。罰則をもって禁止されている。公示・告示の前に許されるのは、政治活動のみである。

事務員
→選挙事務員を参照。

車乗等運動員
自動車又は船舶の上における選挙運動のために使用する者のこと。公職選挙法の規定により、報酬を支払うことが認められている。「ウグイス嬢」や「選挙カラス」と呼ばれることが多い。ウグイス嬢の項目も参照のこと。

収支報告書
選挙運動費用と政治団体の収支報告書がある。選挙運動費用の収支報告書は、候補者の選挙運動に関する収入及び支出について、選挙後にその選挙を管理する選挙管理委員会に提出しなければならない。政治団体の収支報告書は、政党その他の政治団体について、その年における収入及び支出を、毎年、総務大臣又は都道府県の選挙管理委員会に提出しなければならない。いずれも、その要旨は公表され、収支報告書は閲覧の対象となる。

小選挙区選挙
衆議院議員を定められた地区から1名選出する選挙。現在、全国に約300の小選挙区があったが、平成25年7月28日から施行された改正公職選挙法により小選挙区の数は5減少し295となった。

小選挙区比例代表並立制
政策本位、政党本位の選挙を実現するために衆議院議員総選挙に採用されている制度で、小選挙区選挙と比例代表選挙の2つの選挙によって行われる選挙制度。

推薦団体
確認団体に所属していない候補者を推薦または支持し、選挙管理委員会によってその内容等の確認を受けた政党・政治団体のこと。

推薦届出
選挙人名簿に登録されている人が候補者を推薦し、本人の承諾を得て立候補届出をすること。衆議院及び参議院の比例代表選出議員選挙以外の選挙において行うことができる。

出納責任者
選挙運動中の収支責任の一切を担う者。選挙管理委員会に届出をし、収支報告の義務がある。

政見放送
候補者の政見や主張、政党政策などをテレビやラジオを通して放送すること。衆議院議員、参議院議員及び都道府県知事の選挙で行われる。

政治資金団体
政党のために資金上の援助をすることを目的とする団体。政党がその旨の指定をし、総務大臣に届出ている政治団体。

政治団体
政治資金規正法において、下記の活動を本来の目的とする団体及び下記の活動を主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体をいう。
(1) 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること
(2) 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること

また、下記に該当する団体については、政治資金規正法上、政治団体とみなされる。
(1) 政治上の主義又は施策を研究する目的を有する団体で、国会議員が主宰するもの又はその主要な構成員が国会議員であるもの(いわゆる政策研究団体)
(2) 政治資金団体
(3) 特定パーティー開催団体

政党
政治資金規正法上は、次のいずれかにあてはまる政治団体をいう。
(1) 所属国会議員が5人以上
(2) 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区・比例代表)、前回又は前々回の参議院議員通常選挙(選挙区・比例代表)のいずれかの全国を通じた得票率が2%以上

政党助成金
国が政党に対し助成を行うことにより、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とした交付金。

政党届出
衆議院小選挙区選挙・比例代表選挙、及び参議院比例代表選挙で行われる立候補届出方法。一定の要件を満たす政党・政治団体のみが行う。

惜敗率
衆議院小選挙区選挙において、最多得票者の得票数に対するその候補者の得票数の割合。衆議院比例代表選挙における重複立候補者(小選挙区で当選した者を除く)の名簿登載順位が同じ場合は、惜敗率の高い順に当選人となる順位が定められる。

設置選挙
地方公共団体が新しく設置された場合、その議会の議員と長を選ぶために行われる選挙。

選挙運動員
選挙運動員とは、公職選挙法上の「選挙運動」を行う者。選挙管理委員会から交付された腕章を着用しなければならない。

選挙運動期間
立候補届が受理された時から、投票日前日午後12時までの期間。

選挙管理委員会
公正な選挙の実施を管理するための公的機関。中央選挙管理会、都道府県・市区町村の選挙管理委員会がある。

選挙期日
選挙の投票を行う「投票日」のこと。

選挙区
議員を選挙するために都道府県や市区町村などで区分して定められた区域。近年では、一票の格差を是正するために選挙区を改定すべく議論がされている。

選挙権
選挙で立候補者を選ぶことができる権利。選挙で投票する権利のこと。

選挙権・被選挙権の停止
一定期間、投票や立候補ができなくなること。選挙違反を犯した場合に刑罰とは別に処せられるもの。

選挙権の消極的要件
選挙権を持つためにひとつでも当てはまってはいけない条件。(1)禁錮以上の刑に処せられその執行を終えていない者(2)禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)(3)公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後5年間(被選挙権は10年間)を経過しない者。または刑の執行猶予中の者(4)選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者(5)公職選挙法に定める選挙に関する犯罪により、選挙権、被選挙権が停止されている者(6)政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、被選挙権が停止されている者。

選挙権の積極的要件
選挙権を持つために必ず備えていなければならない要件。衆議院議員・参議院議員の選挙では満20歳以上の日本国民であること。知事・都道府県議会議員の選挙では、満20歳以上の日本国民であり、引き続き3ヶ月以上その都道府県内の同一の市区町村に住所のある者であること。市区町村長・市区町村議会議員の選挙では、満20歳以上の日本国民であり、引き続き3ヶ月以上その市区町村に住所のある者であること。

選挙公約
選挙の立候補者や政党が有権者に対して、当選後に実施すると約束する事柄。当選者や政党が選挙公約の実現努力を行うことは責任政治の重要な構成要素である。「マニフェスト」や「アジェンダ」と呼ぶこともある。

選挙公報
候補者の申請に基づき、候補者の氏名、所属政党、政見経歴等を掲載した選挙管理委員会が発行する文書。衆議院及び参議院議員比例代表選挙においては、政党の政策や名簿登載された候補者の紹介等が政党からの申請により掲載され、投票日の2日前までに全世帯に配布される。国会議員の選挙と都道府県知事の選挙については法律で発行が義務付けられているが、それ以外の地方選挙については、各地方公共団体の条例により発行。発行しない自治体もある。

選挙事務員
選挙事務所内で選挙に関する事務作業を行う者。電話による投票依頼などの「選挙運動」を行うものは選挙事務員ではない。事前に届出をすれば、選挙事務員に対しては報酬を支払うことが可能である。

選挙事由
選挙が行われることになった理由。任期満了、議会の解散、長や議員の欠員、当選人の不足などがある。

選挙訴訟
選挙手続きの瑕疵(かし=欠点)などで、選挙の結果が変わったはずだと選挙人や候補者が主張して、選挙の有効無効を争うもの。

選挙人名簿
選挙を円滑に行うため、その選挙区の有権者を調査し登録した名簿。

選挙費用の公営
国又は地方公共団体が候補者や政党等の選挙運動費用の一部を負担すること。選挙の種類により、負担する範囲・金額が異なる。選挙管理委員会から業者へ直接支払われるため、立候補者が立替払いをする必要はないことが多い。

選挙ボランティア
→ボランティアを参照

総選挙
衆議院議員全員を選ぶ選挙。比例代表選挙と小選挙区選挙を同日に行う。併せて最高裁判所裁判官が国民審査に付される。

タ行

代議士
選挙で選ばれた、国民を代表して国政を議する人。衆議院議員の俗称。参議院議員の場合には代議士とは呼ばない。

代理投票
心身の故障などの事由により自ら投票用紙に候補者の氏名等を記載することができない場合、投票所の係員が本人の指示する候補者の氏名等を代理記載する制度。投票所の係員が記載する際には、別の係員が立会い、本人の指示したとおり記載したことを確認する。

為書き
選挙時、応援者が候補者へ向けて激励を込めて贈る大型ポスターのこと。「為 ○○殿(様)」と書かれている。

単純労務者
→労務者を参照。

地上戦
「空中戦」や「宇宙戦」に対して、挨拶回り等、特定の有権者を対象とした選挙活動を指す用語。いわゆる「ドブ板選挙」と同義。
→「空中戦」「宇宙戦」も参照。

重複立候補
2つの選挙に候補者すること。原則は禁止されているが、唯一の例外として、衆議院議員選挙において政党届出された小選挙区の候補者を同党の比例代表選挙の候補者としても名簿に登載できる。

直接選挙
選挙権を持つ人が、投票により直接自分たちの代表者を選ぶ選挙。日本のほとんどの選挙がこの方式。

直接民主主義
国民全員が直接参加して行う民主主義の政治。民主主義の原点であるが、大規模な政治には不向き。

通称使用の申請
芸名やペンネームなどの通称で広く知られている場合、候補者や政党等が、戸籍名に代わってその通称の使用を申請する制度。申請が認められると立候補者名の告示、選挙公報の氏名、政見放送の氏名などに通称を使用することができる。戸籍名をひらがなやカタカナにする場合も申請が必要。

通常選挙
参議院議員の半数を選ぶ選挙。3年に1回ずつ比例代表選挙と選挙区選挙を同日に行う。

定数
国や地方の議会で、選挙で選ばれるよう定められた当選人数。

点字投票
目の不自由な人が投票所で申請し、投票用紙に点字を打って投票できる制度。期日前・不在者投票でも行なうことができる。

統一地方選挙
都道府県知事、市区町村長、都道府県議会議員、市区町村議会議員の選挙を、4年に1回全国的に同日に行う選挙。

当選訴訟
選挙が有効に行われたことを前提にして、当選人の決定が誤っていると主張して争うこと。

投票管理者
投票所ごとに投票に関する事務(投票所の秩序維持、投票用紙の交付、選挙人の確認、投票箱の開票所への送致など)を行う人。その選挙の選挙権を持つ者の中から市区町村の選挙管理委員会が選任する。

投票区
投票手続きの混乱を避け公正で間違いのない選挙を行うため、市区町村を一定の区域に分けて投票を行なう区域。有権者は自分が属する投票区で投票する。

投票立会人
投票事務の執行が公正に行われるよう、投票手続全般の立会い、投票の拒否等の手続に対する意見陳述、投票箱の送致などを行う人。その選挙の各投票区における選挙人名簿に登録された者の中から本人の承諾を得て、市区町村の選挙管理委員会が2人以上5人以下を選任する。

ドント方式
各政党の総得票数をそれぞれ自然数で順に割っていき、商(得票数)の大きい順に議席を配分する方式。参議院・衆議院の比例代表選挙などに用いられている。

ナ行

任期
選挙で選ばれた代表が、その公職に就くよう定められた期間。参議院議員は6年、その他の選挙で選ばれたものは4年。

任期満了
議員や長の任期が終了すること。

ハ行

買収罪
票の獲得のために、立候補者やその関係者が有権者に金品などの利益を与えたり、申込みや約束をすることにより成立した罪。

非拘束名簿式
政党名簿に登載した候補者に「当選人となるべき順序」がつけられていない名簿をもとに行われる参議院比例代表選挙方式。候補者個人の得票数の順位が当選順位となる。

被選挙権
国会議員や都道府県・区市町村の議会議員、長に就くための選挙に国民や市民の代表として立候補することができる権利のこと。必ず備えていなければならない条件(積極的要件)とひとつでも当てはまってはならない条件(消極的要件)がある。

被選挙権の消極的要件
選挙に立候補するために、ひとつでも当てはまってはいけない条件。(1)禁錮以上の刑に処せられその執行を終わるまでの者 (2)禁錮以上の刑に処せられその執行を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者を除く) (3)公職にある間に犯した収賄罪により刑に処せられ、実刑期間経過後10年間を経過しない者。または刑の執行猶予中の者。 (4)選挙に関する犯罪で禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行猶予中の者 (5)公職選挙法に定める選挙に関する犯罪により選挙権、被選挙権が停止されている者 (6)政治資金規正法に定める犯罪により選挙権、被選挙権が停止されている者

被選挙権の積極的要件
選挙に立候補するために必ず備えていなければならない一定の要件。衆議院議員は日本国民で満25歳以上であること。参議院議員・都道府県知事は日本国民で満30歳以上であること。都道府県議会議員は日本国民で満25歳以上であり、その都道府県議会議員の選挙権を持っていること。市区町村長は日本国民で満25歳以上であること。市区町村議会議員は日本国民で満25歳以上であり、その市区町村議会議員の選挙権を持っていること。

秘密投票
憲法で定められている「投票の秘密は保障される」という選挙の基本原則のひとつで、自由な意思による選挙権の行使を保障するためのもの。

比例代表選挙
政党等が候補者の名簿を届け出、得票率に応じて議席を配分する選挙。現在、衆議院議員180名、参議院議員96名(3年ごとに48名ずつ)が比例代表選出分の定数になっている。

比例「特定枠」
現行の参議院選挙は比例代表に非拘束名簿式を採用しているが、「特定枠」制度では比例候補全員から1人少ない人数を限度に拘束名簿式で出馬させる事ができる。

不在者投票
投票日に投票所へ行けない人が、公示日(告示日)の翌日から投票日前日までに投票する制度。出張、滞在先の市区町村や病院、老人ホームなどで投票日前に投票する制度。

普通選挙
納税額や性別などによって選挙権に差別を設けない選挙制度。

法定選挙運動費用
法律で定められた選挙運動のために使用できる費用の最高限度額。選挙人名簿に登録されている有権者数に人数割額を乗じて得た額と固定額の合算した額を選挙区ごとに算出するが、選挙の種類によって額は異なる。

法定得票数
衆議院、参議院の比例代表選挙以外の選挙で法律で定められた当選人となるために必要な、一定数以上の得票数。

補欠選挙
現職議員の退職や死亡などによる欠員を補う選挙のこと。公職選挙法で規定されている。例えば、市区町村議の補欠選挙は、欠員が定数の6分の1を超える場合に行われる。ただし、欠員が定数の6分の1に達していなくても、首長選が実施される場合は補欠選挙が同時に実施される。

補選の被選挙数は、告示の前日までに、議員が辞職しないと確定されない。一方、首長選の告示日に議員が立候補を届け出ると、自動失職となる。そこで、補欠選挙が同時に行われる首長選に現職の議員が出馬した場合には、当該首長選挙の告示日当日に失職するため、告示の前日までに議員が辞職していないため当該補選の被選挙数には反映されない。

ボランティア
選挙事務所のボランティアスタッフは、ポスターの掲示作業などの単純労務のほか、街宣車演説でのビラ配り、ハガキやビラの配布手伝い、演説での旗持ちなど選挙運動をボランティアで行う。単純労務については所定の手続きで一定の報酬を支払うことが可能であるが、車上運動員を除く選挙運動についてはボランティアによる参加しか認められないため注意すること。

事後的なトラブル防止のために、ボランティアスタッフとの契約や本人確認は確実に実施することが必要である。

本人届出
立候補者本人が立候補を届け出ること。衆議院及び参議院の比例代表選出議員選挙以外の選挙で行うことができる。

ヤ行

夕立ち
政治家などが、夕方の帰宅時間帯に、駅前など人通りの多い場所で有権者に向けて演説活動等をすること。公共交通機関が発達していない地方都市の場合には、交通量の多い通り沿いで朝立ちをすることも多い。辻立ちとも言う。

洋上投票
遠洋区域を航行する船舶等の船員が船舶からファクシミリで投票できる制度。あらかじめ市区町村選挙管理委員会に申請し選挙人名簿登録証明書を受けている船員が対象で、衆議院議員総選挙及び参議院議員通常選挙のみで行うことができる。

ラ行

立候補制度
立候補を届け出た人以外は当選できない、と定めた制度。日本の選挙の大原則で、公職につく意思のない人を選挙で選ばないようにするための制度。

立候補の禁止と制限
公職選挙法によって厳しく定められている、被選挙権を持たない人が国政や地方自治体の選挙に立候補できない決まり。ほかに連座制による立候補禁止期間による制限、複数の選挙への重複立候補の制限などがある。

連座制
候補者との関係の深い者が、買収等の選挙違反を犯して刑に処せられた場合、たとえ候補者が関わっていない場合でもその責任を問い、候補者の当選を無効としたり、その後の立候補を制限する制度。

労務者
選挙において単純労務に従事する者。選挙運動に必要な物品の運搬や演説会の会場設営などが単純労務にあたる。労務者に対しては規定の範囲内で報酬を支払うことが可能であり、事前の届出も不要である。

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